東京証券取引所「1部上場企業」全体の、2019年3月期決算が発表されました。

まだ最終的な数字ではありませんが、おおよその見通しはついたようです。

この発表によると、上場企業の「純利益」は3年ぶりで3・6%の減益になりそうです。

ただ このニュースを見ても、去年はおととしに比べて純利益が35%も増えたので、今年3・6%くらい減っても大丈夫なのでは?と思ってしまいました。

とはいえ、第二次安倍政権の発足からジワジワ盛り返してきたような景気に、またもや陰りが見えてきたという不安もあるので、減益の理由は気になる所です。

お給料が上がったから?

利益が前年より落ちた理由として、小売り業では「人手不足で人件費が高騰した」と言っています。

そこで、日本の賃金全体がわかる指標として、厚生労働省が発表している『毎月勤労統計調査』という統計を見てみました。

条件としては「従業員5人以上の会社」で「物価変動の影響を除いた実質賃金」を選択しました。
最近は少しづつ物価が上がっているので、その上昇分を除いた数字という事になります。

すると日本のお給料は、去年の5月と比べると2.5%減少したそうです。
このギャップは、“中小企業”の賃金は下がり、“上場企業”は昇給したという事でしょうか・・・。

株価が下がったから?

利益が下がった理由について「会社が保有している株の評価額が下がった」と言っている企業もあったそうです。

そこで、株価の推移の基準として、去年と今年の“日経平均株価”を比較してみる事にしました。

すると、2018年の3月末は21,454円でしたが、今年の3月末は21,205円でした。
まあ、確かに249円下がっていますね。
でも純利益に影響する程の事でも無さそうです。

大幅な変動という感じもしません。

米中貿易戦争の影響?

メーカーや商社などの輸出企業は「米中貿易戦争の影響」の影響を挙げています。
やはり輸出先として中国の需要は大きく、売上そのものが前年と比べて伸びなかったようです。

「米中貿易戦争」は、今もかなり話題になっていますが、まだケリは付いていないようですね。
そこで去年の時点で何が起こっていたのか、少しおさらいをしてみようと思います。

アメリカの中国に対する貿易赤字は今に始まった事ではありませんが、去年アメリカはとうとう動き出しました。
中国を「不公正な貿易慣行を押し付けている」と非難し、輸入品2000億ドル“相当”に10%の『追加関税』をかけたのです。

この「相当」というのが、どうも分かりにくいのですが・・・。
どうやら、すべての輸入品に追加関税をするのではなく、輸入の総額から2000億ドル分になるように“対象品目”を選び、増税をするという意味のようです。

これに対して、中国側も応酬しています。
アメリカからの輸入品1100億ドル相当に、関税を課したのです。
『中国・上海株式市場』では、2018年の株価が前の年より24.6%安という大幅な下落となりました。

日本の上場企業の純利益が低迷した理由として、やっぱり「米中貿易戦争の影響」の影響があったのかもしれません。
中国とアメリカの貿易戦争の行方は、今後も目が離せそうにありません。

ネットの反応

このニュースに対して、ネットの反応としては

大企業の業績が伸びれば、中小企業も潤うと言われるけど、その前に景気上昇が終了してしまう

好景気報道はウソ?
安倍政権にも陰りが見えてきたかも

今の米中貿易を理由に、増税をやめればいい

という意見が見られました。

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